腹腔鏡下肝外側区域または左葉グラフト採取を視野に入れた安全な左肝静脈または左・中肝静脈共通管確保手技

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抄録

<p>【背景】2022年4月より腹腔鏡下移植用部分肝採取術(外側区域グラフト)が保険収載され、より安全な手術手技が求められるようになった。</p><p>【目的】当院で施行している左・中肝静脈(MHV)共通管もしくは左肝静脈(LHV)を確保する手術手技を紹介する。</p><p>【方法】左・中肝静脈(MHV)共通管確保:鎌状間膜から冠状間膜を切離し、右肝静脈(RHV)とMHVの間の溝を確認する。その際、剥離は下大静脈(IVC)外膜の層に沿ってRHVとMHVの溝からIVCに沿って足側へ可及的に剥離する。次に肝外側区域を右側に圧排した視野で、Spiegel葉の頭側からIVCの 3時方向を露出する。3時方向で露出したIVCも外膜の層に沿い、IVCの12時方向に剥離を進め、先程剥離したRHVとMHVの溝に向かって鉗子を通し、テーピングする。LHV単独確保:肝外側区域を右側に圧排した視野で、IVCではなくアランチウス管付着にアプローチする。そこからLaennec被膜に沿って確保する。腹側頭側でも同様にMHVとLHVの溝から同様の層を意識して剥離し、テーピングする。ただし、LHV・MHV共通管とは異なり、LHV単独確保に関しては解剖学的理由から確保できない症例も存在する。</p><p>【結語】剥離する層とそれぞれのアプローチする解剖学的ランドマークを意識することが大切である。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 57 (Supplement), s382_2-s382_2, 2022

    一般社団法人 日本移植学会

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