液状化検体細胞診を用い解析した神経内分泌への分化を伴う HPV 関連子宮頸部低分化型腺癌,ⅠA1 期の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of stage ⅠA1 poorly differentiated cervical adenocarcinoma, HPV-associated, with neuroendocrine features
  • ―Detected by liquid-based cytology―

抄録

<p>背景:液状化検体細胞診を用いた健診による子宮頸部細胞診で発見した,神経内分泌への分化を伴う HPV 関連子宮頸部低分化型腺癌,ⅠA1 期の 1 例を報告する.</p><p>症例:50 歳代,女性.LBC による子宮頸部細胞診では,細胞の N/C 比が高い円形,卵円形,高円柱状,多核の小型腫瘍細胞が孤立散在性に散見された.核クロマチンは粗顆粒状に分布し,核小体が目立ち,一部に核分裂像やロゼット様構造を認め低分化型腺癌と判定した.子宮頸部円錐切除術の組織標本では,好酸性の細胞質をもった腫瘍細胞による充実性増殖で,水平方向 6 mm の早期病変であった.一部にスリット状の腺管様構造を認めた.腫瘍細胞はクロマチンが増加し,核小体は明瞭で,核分裂像やアポトーシスが目立った.基底膜の腫瘍胞巣辺縁が一部不整であり,間質内浸潤 3 mm 以内と判断した.免疫組織化学染色で腫瘍細胞は INSM-1,CD56,p16 が陽性で Ki-67 標識率は 90%以上であった.</p><p>結論:高悪性度の形態を有し大細胞神経内分泌癌との鑑別を要した,ⅠA1 期の子宮頸部低分化型腺癌の細胞診・組織学的所見について報告した.</p>

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参考文献 (6)*注記

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