エンクロージャー法/オゾン反応性測定装置を用いた植物由来揮発性有機化合物の放出把握の試み

DOI オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • Trial to Capture Emissions of Biogenic Volatile Organic Compounds from Plants Utilizing a Total Ozone Reactivity Analyzer Combined with an Enclosure

抄録

<p>生物起源揮発性有機化合物BVOCsを包括把握するために、独自のオゾン反応性全量RO3測定装置を汎用化し、枝エンクロージャーBEと組み合わせた植物放出試料測定系BE/RO3を構築した。装置の定量限界はRO3=1.7×10−5 s−1(300 s積算、S/N=3)、放出係数で3.6×10−7 s−2(たとえば0.03 m2の葉を測る場合はイソプレン放出4.4 nmol m−2 s−1相当)を得た。次に、屋外に設置した植物苗から放出されるBVOCsのRO3定量試験を夏期に50日間連続で実施し、BE/RO3の実用性を確認した。イソプレン放出樹種であるコナラを測った結果、日射と温度が高い昼頃をピークとするRO3の日変化を捕捉した。顕著な高温日には、昼前の早い時間からBVOCs放出が増大する様子も捉えた。RO3の相対変動は、温度上昇に伴い増加しつつ顕著な高温域で減少に転じるなど、温度と光量に基づくイソプレン放出量推定モデルG93と大枠で整合した。個別成分測定にてRO3の内訳を調べたところ、イソプレンと同程度の個別未測定成分の寄与が示された。コナラ放出試料RO3の温度依存性から温度係数β=0.12 K−1が得られ、以前の森林大気観測(0.23 K−1)ではイソプレン放出樹種のほかβの大きいモノテルペン放出樹種も複合して寄与したと推測された。</p>

収録刊行物

  • 大気環境学会誌

    大気環境学会誌 58 (2), 47-58, 2023-02-24

    公益社団法人 大気環境学会

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390576689850529536
  • DOI
    10.11298/taiki.58.47
  • ISSN
    21854335
    13414178
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ