経カテーテル的大動脈弁置換術後に生じた親水性ポリマー塞栓症 (hydrophilic polymer embolism) の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Hydrophilic Polymer Embolism After Transcatheter Aortic Valve Implantation
  • ケイ カテーテルテキ ダイドウミャクベン チカン ジュツゴ ニ ショウジタ シンスイセイ ポリマー ソクセンショウ(hydrophilic polymer embolism)ノ 1レイ

この論文をさがす

説明

<p>85 歳,女性。大動脈弁狭窄症に対して,経カテーテル的大動脈弁置換術(右大腿動脈アプローチ)を施行し,1 週間後より両側下肢の右側優位に米粒大の浸潤を触れない淡い紫斑が出現した。病理組織学的には真皮浅層の一部血管に好塩基性に染色される異物の塞栓像を認め,真皮中層から皮下組織には同物質を貪食する多核組織球が散見された。特徴的な病理組織所見より親水性ポリマー塞栓症(hydrophilic polymer embolism)と診断し,腎機能低下および好酸球上昇はなく,紫斑の拡大もみられなかったため無治療で経過観察としたところ,3 週間で皮疹は自然消退した。経カテーテル的大動脈弁置換術時に使用したイントロデューサーシースにコーティングされていた親水性ポリマーを H-E 染色および Elastica van Gieson 染色したところ血管内の塞栓物質と類似した染色性を示したことから,イントロデューサーシースから剥離した親水性ポリマーが本疾患の原因となった可能性が示唆された。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 84 (6), 517-520, 2022-12-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ