ヒト子宮類内膜がん細胞株表面における免疫チェックポイント分子PD-L1の発現調節に果たすEzrin/Radixin/Moesinの役割

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  • Role of Ezrin/Radixin/Moesin in the Cell Surface Localization of Immune Checkpoint Molecule PD-L1 in Human Endometrial Carcinoma Cell Line.

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抄録

<p> Programmed death-1(PD-1)及びそのリガンドPD-L1は、細胞傷害性T細胞やがん細胞表面に発現する免疫チェックポイント分子である。これらを標的とする免疫チェックポイント阻害療法は、多岐に渡るがん種への適応拡大が加速している。しかしながら、子宮類内膜がんを含む子宮体がん患者における奏効率は高くないため、PD-1/PD-L1経路を阻害する新たな治療標的の探索が切望されている。細胞内の足場タンパク質ezrin/radixin/moesin(ERM)ファミリーは、がんに関連するいくつかの細胞表面分子と細胞内のアクチン骨格とを連結し、細胞膜での安定発現に寄与している。本研究では、日本人女性由来の子宮類内膜がん細胞株HEC-265細胞を用い、PD-L1の細胞表面局在調節におけるERMの役割を解析した。免疫蛍光染色の結果、PD-L1とERMは細胞膜に分布し、高度に共局在した。興味深いことに、RNA干渉法によりezrin/radixinの発現を抑制したところ、細胞表面におけるPD-L1発現量及び局在性が低下した一方、moesinの発現抑制は細胞表面のPD-L1発現量及び局在性を変化させなかった。以上の結果、ERMの中でもezrin/radixinが、PD-L1のHEC-265細胞表面局在に関与する可能性が示された。</p>

収録刊行物

  • AYAがんの医療と支援

    AYAがんの医療と支援 3 (1), 2-9, 2023

    一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会

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