単焦点眼内レンズ挿入眼における術後残余乱視による距離別裸眼視力への影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Postoperative Residual Astigmatism on Eyes Implanted with a Single Focus Intraocular Lens

抄録

<p> 【目的】単焦点眼内レンズ挿入眼における術後残余乱視が距離別裸眼視力へ及ぼす影響について検討した。</p><p> 【対象及び方法】対象は当院にて白内障手術を施行し、単焦点眼内レンズを挿入した患者237名264眼。4.00m~0.32mの12点で距離別裸眼視力を測定した。自覚的屈折値の等価球面値(SE)+0.25D~-0.50Dを正視群、SE-1.00D~-2.50Dを近視群としC-0.50D以下をA群、C-0.75D~-1.25DをB群、C-1.50D~-2.00DをC群に分け正視群近視群を各々乱視度数別の3群間で比較検討した。また遠見及び近見の各4点(計8点)を点数化したものを有用視力スコア、全距離logMARの総和を視力指数として各々比較検討した。</p><p> 【結果】距離別裸眼視力の比較では正視群は4.00mから1.25mまで全てに有意差がみられ(P<0.05)、正視A群が最も視力良好であった。近視群は0.63mと0.50mでのみ近視C群が他群と比較し視力不良であった。また有用視力スコア及び視力指数ともに正視群ではA群がB群およびC群に対して有意に良好であった(P<0.05)。近視群では有用視力スコア、視力指数ともに有意差はなかった。</p><p> 【結論】術後の屈折が正視付近であれば遠見視力への残余乱視の影響は大きいが術後の屈折が近視の場合であれば術後残余乱視の影響は少なくなるため術後正視を狙う際には乱視矯正も選択肢に入れる必要がある。</p>

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