日本語版科学的推論尺度の心理測定的特徴の検討

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  • Psychometric properties of Scientific Reasoning Scale in Japanese
  • ニホンゴ バン カガクテキ スイロン シャクド ノ シンリ ソクテイテキ トクチョウ ノ ケントウ

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抄録

本研究の目的は、Drummond& Fischhoff (2017)の作成したScientificReasoning Scaleを元にした日本語版の科学的推論尺度を作成し、その心理測定的特徴について検討することであった。成人(調査1:N = 343) 、大学生(調査2:N = 93) 、高校生(調査3:N = 250) と異なる年代の人々を対象とした調査を行い、科学的推論尺度の心理測定的特徴を検討した。項目反応理論を用いた分析の結果から、科学的推論尺度は一次元構造であり、科学的推論能力の高い人から低い人まで幅広い能力を持つ人々の個人差を把握できる尺度であることが示唆された。また、科学的推論尺度の得点は科学の知識テストや批判的思考態度、パーソナリティ特性の開放性と正に関連しており、科学的推論能力を測定する妥当な尺度であることを示唆する結果も得られた。科学的推論尺度と三段論法形式のテストで測定される論理的推論能力との関連については一貫した結果が見られなかったが、高校生では両者の間には正の相関がみられており、部分的には尺度の妥当性を支持する結果が得られた。項目反応理論で得られた項目の特性推定値をもとに、測定上で留意するべき点や、項目の改善・拡充に必要な視点などを議論する。

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