食料品支出金額変化のチャネル別要因分解 ―COVID-19に係る緊急事態宣言の影響―

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  • Decomposing Changes in Consumer Food Expenditures Among Retail Channels: The Impact of the State of Emergency During the COVID-19 Pandemic
  • ショクリョウヒン シシュツ キンガク ヘンカ ノ チャネル ベツ ヨウイン ブンカイ : COVID-19 ニ カカル キンキュウ ジタイ センゲン ノ エイキョウ

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抄録

COVID-19の感染拡大に伴う緊急事態宣言によって多くの人は在宅生活が求められた。そのような状況の中で,消費者はスーパーに代表される従来の店舗でのOfflineチャネルとともに,ネットスーパーやECサイトのようなOnlineチャネルから食料品を調達する必要がある。2020年4月の緊急事態宣言の発出により,家庭内での食事機会が増加したことで,感染リスクを避け外出せずに新たにOnlineチャネルを利用する動きや,Offlineチャネルでもまとめ買いなど買い物金額を増加させる動きなど,購買行動を変えうる多様な要因が存在することとなった。本研究では,緊急事態宣言直前と開始直後の約2か月を対象に,消費者の食料品支出金額の変化を購入日あたり平均支出金額と購入頻度とに要因分解することで,それらの動きがどのように購買行動に影響していたかについて考察を行う。主な結果は以下の3点である。第一に,緊急事態宣言開始後であっても,食料品の購入はOfflineチャネルの利用が支配的であった。第二に,生鮮・日配品では,主食や貯蔵可能な食品と比べると,Offlineチャネルの利用が支出金額に与える寄与度が大きかったことである。第三に,主食や貯蔵可能な食品は緊急事態宣言開始後にOnlineチャネルが支出金額増加に与える寄与度が相対的に大きく,中でもOnlineチャネルの購入頻度の増加が支出金額増加に与える寄与度が大きかったことである。これらの結果から,緊急事態宣言開始後には,Onlineチャネルを利用する動きが一部で見られ,その購入頻度の増加による支出金額の増加は確認できたものの,全体に占める割合としては大きくなかった。

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