<i>Microsporum canis</i> による汎発性浅在性白癬の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Generalized Tinea Corporis Caused by <i>Microsporum Canis</i>
  • Microsporum canisによる汎発性浅在性白癬の1例
  • Microsporum canis ニ ヨル ハンハツセイセンザイセイ ハクセン ノ 1レイ

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抄録

<p>50 歳,女性。当科初診の 1 カ月前に強い瘙痒を伴って上肢,顔面に落屑を伴う紅斑,びらんが出現した。近医で落葉状天疱瘡が疑われ,プレドニゾロン(PSL)25 mg 内服とジフルプレドナート軟膏が処方されたが皮疹が増悪したため当科を紹介され受診した。全身に境界明瞭で辺縁が隆起する,薄い鱗屑を伴う母指頭大までの環状の紅斑が多発・融合していた。血清抗デスモグレイン 1,3 抗体,抗 BP180 抗体は陰性であった。当科初診時,乳癌に対して内服中のタモキシフェンによる亜急性皮膚エリテマトーデス型薬疹を疑い,タモキシフェン中止の上,内服 PSL 40 mg に増量したが皮疹の改善は乏しかった。病理組織で角層内に PAS 染色陽性の多数の菌糸および分節胞子,病変部鱗屑の水酸化カリウム直接鏡検で隔壁を有する糸状菌を多数認めた。鱗屑の真菌培養から Microsporum canis(以下;M. canis)と同定し,同菌による汎発性浅在性白癬と確定診断した。ルリコナゾールの外用と塩酸テルビナフィンの内服により皮疹は消退した。発症直前から野良猫を飼育し始めた経緯があり,ネコ由来 M. canis による汎発性浅在性白癬と考えた。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 85 (1), 56-58, 2023-02-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (3)*注記

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