神奈川県の絶滅危惧種キバネツノトンボ(昆虫綱,アミメカゲロウ目)の生態的知見2―マーキングによる個体群動態の解明―

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Ecological Knowledge of an Endangered Species <i>Libelloides ramburi</i> (MʼLachlan, 1875) (Insecta, Neuroptera) in Kanagawa Prefecture, Japan, Part 2―Study on the Population Dynamics by the Marking Method―

抄録

キバネツノトンボは、現在、神奈川県内での分布が県北部の一角に極限される絶滅危惧種である。今回は、苅部・加賀(2022)で本種では初めて実施された個体識別マーキング調査を発展させ、発生シーズンのほぼ全期間にわたって調査を実施した。その結果、総計367頭にマークして追跡することができた。マーキングによる確認数は昨年のマーク数より2.1倍の個体数となり、多くの個体の発生が確認できた。今回の再捕獲率は10 %であり、昨年より上昇したが、個体群の入れ替わりが顕著であることが実証できた。発生初期にはほぼ全てがオスで、約30日後に雌雄比率が逆転し、後期に向かって急速にオスの比率が減少し、末期にはほぼメスだけになるという性比の変動を、明確にすることができた。また、今回確認できた出現期間は、60日程度であった。再確認日数の最長は、本年はオスで15日、メスで19日と昨年の結果よりは短かった。このように、個体マーキング手法により多くの生態情報が得られることが明らかになった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577043857876352
  • DOI
    10.32225/bkpmnh.2023.52_45
  • ISSN
    21896720
    04531906
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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