カニクイザルの涙液層破壊時間を指標としたドライアイ治療薬の薬効評価

  • 松岡 功
    参天製薬株式会社 製品開発本部 製品研究統括部 薬理グループ
  • 中澤 仁志
    参天製薬株式会社 製品開発本部 製品研究統括部 薬理グループ
  • 篠宮 克彦
    参天製薬株式会社 製品開発本部 製品研究統括部 薬理グループ
  • 三枝 祐史
    参天製薬株式会社 製品開発本部 製品研究統括部 薬理グループ
  • 加藤 雅智
    参天製薬株式会社 製品開発本部 製品研究統括部 薬理グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Efficacy evaluation of dry eye medicine using measurement of tear film breakup time in cynomolgus monkeys (<i>Macaca fascicularis</i>)

この論文をさがす

説明

<p>カニクイザルの涙液層破壊時間 (tear film breakup time; TBUT) を指標として、ドライアイ治療薬の薬効評価が可能かを検討した。動物に人工涙液 (AT)、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液 (HA0.1)、0.3%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液(HA0.3)、3%ジクアホソルナトリウム点眼液 (DQS)、2%レバミピド点眼液 (REB) を単回点眼後、1%フルオレセインナトリウム溶液を点眼し、開瞼後に角膜上の涙液層が破綻するまでの時間 (TBUT) を測定した。なお、全ての操作はケタミン麻酔下で実施した。その結果、HA0.1点眼後のTBUTは5分および15分でAT点眼後と比較して統計学的に有意な延長が確認された。HA0.3点眼後のTBUTは5分でATおよびHA0.1と比較して統計学的に有意な延長が確認され、点眼後15分でもATと比較して統計学的に有意な延長が確認された。HA点眼後のTBUTの延長は、濃度増加に伴う作用の増強傾向も確認できた。DQS点眼後のTBUTは15分でATおよびREBと比較して延長傾向が確認された。DQS点眼後30分ではATおよびREBと比較して統計学的に有意なTBUTの延長が確認された。ATおよびREB点眼後のTBUTは、点眼前の基準値と比較して延長は確認できなかった。カニクイザルを用いたTBUT評価では作用機序が異なる薬剤の効果を捉えることが可能であり、ドライアイ治療薬開発における有用な指標の一つとなることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ