生物の分類に必要な数量的思考 : 進化を学ぶ前にできること

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タイトル別名
  • Quantitative thinking required to classify organisms : what we can do without "evolution"

抄録

生物進化を考えることなく中学1 年生が動物の「分類」を論じることは可能、あるいは適切かという問題意識から出発し、「生徒が数量的に動物の形質を捉え、分類の階層性を認識する」ことを目指した授業内容を報告する。まず、生徒は脊椎動物のそれぞれの分類群に属する生物を、棲息環境、生殖様式、呼吸のしかたといった観点での共通点・相違点を数量化した表を作成した。この表を基に、生徒は手計算が可能な系統樹構築の手法であるUPGMA(平均距離法)により、簡易な系統樹を作成した。本取組みにより、生徒が系統の階層性や中間的な分類群の存在を認識でき、以降の学習で進化の視点を踏まえて生物系統を 考えるための素地を形成できた。さまざまな制約により中学1 年生では生物の進化を正面から取り扱えないとしても、生物の形質について数量的な取り扱いを学ばせることは、世の中に存在する多様な生物を科学的な仕方で理解するために必要で意義があることだと結論づけた。

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