小面積皆伐と地表かき起こしによるストローブマツ人工林から針広混交林への転換

  • 高橋 功一
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林北海道演習林
  • 鈴木 智之
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林北海道演習林
  • 後藤 晋
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林森林圏生態学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Conversion of a <i>Pinus strobus</i> Plantation to a Conifer-Broadleaved Mixed Forest by Small-scale Clear-cutting and Scarification Treatments:
  • 小面積皆伐と地表かき起こしによるストローブマツ人工林から針広混交林への転換 : 15年間にわたるストローブマツと天然林構成種の更新動態
  • ショウメンセキ カイバツ ト チヒョウカキ オコシ ニ ヨル ストローブマツ ジンコウリン カ ラシンコウコンコウリン エ ノ テンカン : 15ネンカン ニ ワタル ストローブマツ ト テンネンリン コウセイシュ ノ コウシン ドウタイ
  • Regeneration Dynamics of <i>P. strobus</i> and Native Tree Species duirng 15 Years
  • ―15年間にわたるストローブマツと天然林構成種の更新動態―

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説明

<p>1950年代に北海道で大規模に造林された外来樹種であるストローブマツ林は,針広混交林への転換が求められている。本研究では,ストローブマツ人工林を小面積(25×25 m)で皆伐し,そのまま放置した「小面積皆伐区」とその後に地表かき起こしをした「かき起こし区」を設定して,高木種の更新を15年間調査した。本研究では,1)かき起こし区の方が更新密度が高いが,小面積皆伐区の方が更新木の成長がよい,2)小面積皆伐に加えてかき起こしによって,ストローブマツの更新が促進される,3)各区内のコドラートの相対位置によって光条件が不均質となり更新密度が異なる,という仮説を立てた。その結果,仮説1は支持された。またストローブマツは小面積皆伐区では更新しなかったが,かき起こし区では主な更新木となっており,仮説2も支持された。一部の樹種では,北側に比べて南側や西側のコドラートで更新密度が高く,仮説3は支持された。以上から,ストローブマツ人工林の小面積皆伐は針広混交林への転換に有効で,ササが濃くなく前生稚樹が存在する条件では,小面積皆伐のみで放置することも有効と考えられた。</p>

収録刊行物

  • 日本森林学会誌

    日本森林学会誌 105 (3), 65-75, 2023-03-01

    一般社団法人 日本森林学会

参考文献 (14)*注記

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