他者の存在が環境音に対する印象に与える影響

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タイトル別名
  • The Effects of the Presence of Another Person on Impressions of Environmental Sounds
  • タシャ ノ ソンザイ ガ カンキョウオン ニ タイスル インショウ ニ アタエル エイキョウ

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抄録

本研究の目的は,他者の存在が環境音に対する印象に与える影響について検討することであった.被験者は,大学生の男女12名ずつ,計24名であった.刺激には,快,中性,不快6種類ずつの環境音を,計18種類使用した.実験条件は,隣の席に同性の友人がいる他者あり条件,他者がいない他者なし条件の2条件であった.スピーカーを通して20s 呈示された刺激に対する印象評定が行われた.すべての刺激呈示後に呈示された刺激が何であったかを思い出す直後再生と,2週間後に遅延再生を求めた.その結果,音に対する印象評定の主成分分析より,“美的因子"“迫力因子"“金属性因子"の3因子が抽出された.他者の存在による影響は“金属性因子"においてのみで,他者がいないほうが不快な音はより金属的であると評定された.他者がいないときに聞いた音のほうが再生成績がよかったのは,直後再生では快と不快の音であったが,遅延再生では快の音のみであった.以上,本研究により,他者の存在と環境音に対する印象の関係が明らかにされた.

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