腹腔鏡補助下に治療し得た成人回腸重複腸管の1例

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タイトル別名
  • Adult Intestinal Duplication Managed by Laparoscopic-assisted Surgery:A Case Report
  • フククウキョウ ホジョ カ ニ チリョウ シエタ セイジン カイチョウ チョウフク チョウカン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は27歳,男性。20XX年3月,食後の腹痛,頻回嘔吐で近医へ緊急搬送された。腸閉塞の疑いで当院へ転院した。腹部骨盤CTでは,骨盤腔内の回腸にcaliber changeがあり,同部口側にMeckel憩室を疑う拡張した腸管を認め,ここが閉塞起点と考えられた。腸管虚血はなく,イレウス管挿入による保存的加療で症状は改善したが,食事再開後に腹部症状が再燃したため,腹腔鏡下手術を施行した。手術所見では,回腸末端より60cm口側に腸間膜対側にT字路の小腸を認め,重複腸管が疑われ,回腸楔状切除術を行った。病理組織学的所見では,正常腸管の壁構造を有し,かつ隣接する腸管と連続した粘膜と筋層構造を認めたため回腸重複腸管と診断した。重複腸管はまれな疾患であるが,急性腹症の鑑別疾患として考慮すべきである。治療は小腸部分切除が選択されることが多いが,腹腔鏡下に楔状切除で手術できる可能性が示唆された。</p>

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