脾破裂で診断された脾原発悪性リンパ腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Ruptured Splenic Malignant Lymphoma
  • ヒハレツ デ シンダン サレタ ヒゲンパツ アクセイ リンパシュ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は59歳男性。左季肋部痛,発熱を主訴に救急搬送された。CTでは脾臓内に不整な充実成分を伴う腫瘤を認め,腫瘤周囲,肝表面,骨盤内に血液を疑う液体貯留を認めたことから,脾腫瘤破裂による腹腔内出血の診断となった。可溶性IL-2レセプターの上昇を認め,脾原発悪性リンパ腫が疑われた。診断的治療目的に脾臓摘出術を施行した。脾腫瘤に一致して裂創を認め,出血の原因と考えられた。術後膵液瘻を認めたが保存加療で改善し,第21病日に退院した。病理組織所見より脾原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の診断となった。現在,術後16ヵ月が経過し,complete metabolic response(CMR)を維持している。非外傷性脾破裂により発見される脾原発悪性リンパ腫は非常にまれである。脾腫瘤破裂においては,術後化学療法を見据え,脾臓摘出術による診断的治療を積極的に検討する必要がある。</p>

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