がん微小環境がパーシスター細胞を維持する
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- 松下 洋輔
- 徳島大学先端酵素学研究所ゲノム制御学分野
抄録
化学療法は効果的だが,潜在的ながん細胞が残存するため再発や再燃といった課題が残されている.治療から逃れることのできる希少なクローンは,パーシスターがん細胞(persister cancer cell)と呼ばれる.パーシスターがん細胞は化学療法に対して可逆的な抵抗性を示す.細胞周期は主に休止状態にある持続性細胞であり,治療中止後に増殖を再開し,化学療法に感受性を示すようになる.2010年に初めて同定されたこのような細胞は,がん治療の標的として大きな注目を集めているものの,その特性については多くの疑問が残されている.本稿では,ヒト大腸がん細胞が幹細胞マーカーLGR5(leucine rich repeat containing G protein-coupled receptor 5)陽性であることから,LGR陽性のオルガノイドを用いて細胞系譜を解析し,持続性がん細胞の休眠状態の維持や薬剤耐性機構を明らかにしたOhtaらの報告を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) Sharma S. V. et al., Cell, 141, 69–80(2010).<br>2) Ohta Y. et al., Nature, 608, 784–794(2022).<br>3) Wang W. et al., J. Cell Biol., 219, e201904137(2020).
収録刊行物
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- ファルマシア
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ファルマシア 59 (4), 331-331, 2023
公益社団法人 日本薬学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390577133276327552
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- ISSN
- 21897026
- 00148601
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可