リサイクル困難な低品位廃棄物の大規模熱利用システムの提案

  • 藤井 実
    (国研) 国立環境研究所 社会システム領域 システムイノベーション研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Proposal of a Large-scale Heat Utilization System for Low-grade Unrecyclable Waste

抄録

気候変動の緩和のため,カーボンニュートラルを社会のあらゆるセクターで実現することが重要な課題となっている。しかし,化学や製紙等の素材産業のカーボンニュートラル達成の難易度は高い。一方,廃棄物セクターにおいてもカーボンニュートラルな仕組みに移行するとともに,経費削減が課題となっている。そこで,両者の課題を同時に解決する対策を提案する。リサイクル困難な可燃廃棄物の中でも,特に現在は各自治体において焼却 • 発電利用されている廃棄物を,石油化学コンビナートのように,集中して熱需要がある場所に集積し,熱供給のための燃料として効率的に活用できる可能性がある。廃棄物輸送のエネルギー密度はある程度高いため,輸送することで得らえる CO2 排出削減効果や経済的メリットを考えると,長距離輸送も十分に合理的であることが期待される。環境と経済の両面で相乗効果をもたらす仕組みとして導入され,定着することを期待したい。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ