当院で治療したT1a乳癌6例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Examination of 6 T1a breast cancer cases treated at our hospital

この論文をさがす

抄録

腫瘍径5mm 以下の T1a 乳癌は微小病変として扱われている。一般的にリンパ節転移は稀で,5年生存率は95%以上と予後は比較的良好であり化学療法を行わないことが多い。ところが,組織型や性質によっては急な経過を伴うこともあり,T1a 乳癌においても早期発見は重要である。そこで,当院で治療した T1a 乳癌を検討することとした。 2015年4月~2022年3月の期間に当院で手術を施行した T1a 乳癌症例を後方視的に検討した。全6症例であり,平均年齢65.8±11.3歳,全て女性であった。発見の契機は検診4例,腫瘤触知2例であった。検診で見つかった4例はすべて MMG であり,所見は石灰化が3例,構築の乱れが1例であった。Subtype は Luminal A:2例,Luminal B:2例,HER2:1例,TN:1例であった。組織型は,IDC:5例,IMPC:1例であった。 当院で治療した T1a 乳癌の67%が検診を契機に治療しており,早期発見,早期治療が可能であったといえる。また,HER2強陽性や TN,IMPC といった比較的悪性度の高い乳癌も含まれている。T1a 乳癌に対して化学療法は行われないことが多く,検診で5mm 以下の状態で乳癌を発見することは乳癌の治癒率を向上させるだけでなく社会経済的にも意義がある。

収録刊行物

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ