福知山市内における大学生向けフィールドワークの実施と評価

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タイトル別名
  • Implementation and evaluation of fieldwork for college students in Fukuchiyama City
  • For the purpose of noticing the local resources
  • 地域資源への気づきを目的として

抄録

<p>はじめに  </p><p> 福知山公立大学地域経営学部設置科目、2年生対象の地域経営演習Ⅲ・Ⅳ(大谷ゼミ)では、大学と包括協定を締結している北近畿9自治体を訪問している。これらの地域への訪問や事前学習を通して、当該地域の多様性を知り、地域経営を学ぶ上で土台となる地域資源を把握してもらうことがゼミの目的である。本発表では、福知山市、とりわけ旧福知山地域で2021~2022年に実施したフィールドワークの実践とゼミ生達の反応から、その効果を検証したい。 </p><p></p><p>1. ゼミ活動の流れと旧福知山地域訪問</p><p> ゼミは各ゼミ生の出身地紹介に始まり、その後は訪問市町ごとに、事前学習→訪問→報告の3ステップを繰り返す。事前学習では、教員が指定した項目についてゼミ生が各自インターネットや文献で調べ、現地訪問直前のゼミでスライドを使って発表する。訪問(フィールドワーク)の際は、教員が企画した旅程に従って現地を巡り、その地域の雰囲気を直接感じ取ると共に、必要に応じてメモを取り、写真を撮影し、報告に備える。報告は訪問直後のゼミで行い、ゼミ生たちは現地で何を見、感じたのかを各自、自由に発表する。  今回の訪問先である福知山市は、2006年に旧福知山市、大江町、夜久野町、三和町が合併し、現在の形となった。事前学習では市全域を対象としているが、移動距離や日程を考慮し、2021年度、2022年度共に訪問先は旧福知山市内にある福知山城、佐藤太清記念美術館、ゆらのガーデン、丹波生活衣館、三段池公園、御霊神社とした。 </p><p></p><p>2.事前学習による学び  </p><p> 2021年度のゼミ生から事前調査の段階で複数挙がったものとして、地理(位置、京阪神からの距離や時間、隣接自治体)、歴史(縄文遺跡の存在、明智光秀による築城、交通の要衝、商都、長田野工業団地、市町村合併)、データ(面積、男女別人口、世帯数、高齢化率、合計特殊出生率、外国人人口)、名産品(丹波栗、鬼饅頭、踊りせんべい、里柿、漆)、名所(福知山城、大江山、三段池公園)が、2022年度のゼミ生からは新たに、地理(盆地であること)、名産品(花嫁おせん)が複数挙がった。 </p><p></p><p>3.訪問を通して何を得たか  </p><p> 複数回答が得られたものとして、2021年度:実際に行ってみると新たな発見があった、自分が学び暮らす街の歴史や自然を感じることができた等、2022年度:身近ながら知ることのなかったことに気づくことができた、様々な年齢層が利用可能な施設がある、公共交通での周遊の難しさを感じた等があった。福知山城やゆらのガーデンは授業実施後に個人的に再訪した学生も数名いた。 </p><p></p><p>まとめと考察  </p><p> いずれの年度においても、ゼミ生たちは他のゼミ生の発表から自分自身が気に留めていなかった点を情報として取得している。また、報告では、地域資源の素晴らしさへの気づきなど肯定的な意見が多数を占め、実際に再訪した者もいた。同時に、観光地の点在、公共交通の不便さなどの地域課題の発見もあった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577144549313280
  • DOI
    10.14866/ajg.2023s.0_173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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