緊急脳室ドレナージを要する閉塞性水頭症で発症した脊髄病変合併PRESの1例

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タイトル別名
  • Posterior Reversible Encephalopathy Syndrome with Spinal Cord Involvement Complicated by Obstructive Hydrocephalus Requiring Ventricular Drainage

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抄録

<p>近年,posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)の中で,脊髄病変を合併するPRES with spinal cord involvement(PRES-SCI)という亜型がまれに報告されている.これまでに報告されたPRES-SCIはすべて,降圧を中心とした内科的治療のみで管理され,外科的治療を要した報告はなかった.今回,急性閉塞性水頭症を合併し,緊急脳室ドレナージ術を要した重症PRES-SCI症例を経験したため報告する.</p><p>症例は45歳男性.意識障害を主訴に当院を受診した.頭部CT,頭部および脊髄MRIにて後頭葉,小脳,上位頚髄に広範な浮腫性変化と水頭症の所見を認めた.PRES-SCIによる脳浮腫が原因で,閉塞性水頭症を呈していると診断し,緊急脳室ドレナージと厳重な血圧管理を行った.術後,脳および脊髄浮腫は経時的に改善し,神経脱落所見なく自宅退院となった.</p><p>PRES-SCIには閉塞性水頭症を併発する症例もあり,時機を逃さない外科的治療介入が肝要である.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中の外科

    脳卒中の外科 51 (1), 51-55, 2023

    一般社団法人 日本脳卒中の外科学会

参考文献 (11)*注記

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