-
- 梶原 健嗣
- 愛国学園大学
書誌事項
- タイトル別名
-
- その概要と問題点
抄録
令和元年東日本台風後の2020年7月、社会資本整備審議会が示した答申により、それまで萌芽的に見えていた流域治水への転換が決定的なものとなった。そうして2021年、特定都市河川浸水被害対策法ほか37法を改正する形で流域治水関連法が成立した。 流域治水関連法は全体として、予期される水害の激化に対し、「事前」にどう対応するかという色彩が濃い法律である。だが被害軽減のためには、事後の対応も重要であって、事前・事後の対応が「両輪」として機能することが求められる。荒川水系に代表されるように、治水計画の現状と水防法上の想定豪雨の乖離はかなり構造的なものと言える。そうであれば様々な政策を総動員してもなお溢れる洪水とその被害に対し、事後的な補償をどうするかは極めて重要な課題となるはずである。しかしその点に関する制度設計は、今回の流域治水関連法ではカバーされていない。この点が、今後の治水のあり方を考えた時に、同法に最も欠けている部分と思われる。
収録刊行物
-
- 水資源・環境研究
-
水資源・環境研究 35 (2), 73-78, 2023
水資源・環境学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390577232659117056
-
- ISSN
- 18839398
- 09138277
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可