「個別的なもの」の日常的編成

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • The Everyday Organization of "the Individual"
  • An Auto-ethnography of "Hesitation" and "Decision" with a Musical Instrument
  • 楽器をめぐる「迷い」と「決断」の自己エスノグラフィー

抄録

<p>本稿は、音楽家たちの社会生活の一画をなす活動のひとつとしての「ひとりで行う活動」の探求を通じ、関係論的な音楽研究を省察的に検討する試みである。ひとりで行う活動に関連づいた概念のひとつに、「個別的なもの(the individual)」がある。本稿が試みるのは、「個別的なもの」を、それが日常的実践において志向されている水準において特徴づけることである。具体的には、筆者自身によって断続的に取り組まれている楽器の弦の選択活動を対象として、その過程を記述したフィールドノートに見出される「判断に迷うこと」や「決断を下すこと」が生じている場面の分析を行う。結果として、こうした出来事の編成プロセスが、個人が持つ能力への疑いへの対処として、その積極的遂行の結果として取り組まれていることが明らかになる。こうした作業を通じて本稿は、いわゆる関係論的な音楽研究が可能となる条件としての日常生活世界の探求の重要性を主張する。</p>

収録刊行物

  • 文化人類学

    文化人類学 87 (3), 461-479, 2022-12-31

    日本文化人類学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577309350921728
  • DOI
    10.14890/jjcanth.87.3_461
  • ISSN
    24240516
    13490648
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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