食欲の調節を行う脳内メカニズム―最近の成果と今後の課題

  • 中島 健一朗
    名古屋大学大学院生命農学研究科 自然科学研究機構生理学研究所生体機能調節研究領域 JSTさきがけ

書誌事項

タイトル別名
  • Neural Mechanism of Appetite Regulation: Recent Progress and Future Perspectives

抄録

<p>ヒトを含め動物が生きていくうえで, 食欲は最も重要な本能の1つである。脳は食欲調節の中心的な役割を担い, その破綻は過食や食欲不振を引き起こす。これは最終的に肥満やサルコペニアにつながるため, 食欲をコントロールしつつ適切な食物 (栄養素) を摂ることが, 健康維持および未病状態の改善に非常に重要となる。食欲の特徴は全身のエネルギーを一定に保つ摂食 (恒常性の摂食) と食の美味しさを追求する摂食 (嗜好性の摂食) に分類できる点である。また, これらの性質は食物の機能という点から見ると, 脳が栄養, 感覚, 機能性成分を感知し, 評価・選択して摂取する仕組みと言える。近年, 脳内の摂食調節の複雑なネットワークが次々に明らかになってきたが, 本項では代表的な仕組みと今後の課題を紹介する。</p>

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参考文献 (21)*注記

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