説明
発達障害は、大きく知的障害のグループと自閉症を中核とするグループに分けられる。後者の自閉症を中核とするグループの3/4は知的障害を伴うタイプである。これを単に「自閉症」と呼んだり、提唱者の名前をつけてカナー型自閉症と呼ぶ。一方、自閉症を中核とするグループの残りの1/4は知的障害を伴わない或いは軽い知的障害があるタイプである。知的障害を伴うタイプの発達障害は、通常、特別支援学校(知的障害)や通常学校の特別支援学級(固定式)に所属しているため、一般の教師が担当になることは少ないが、通常学校の通常学級や小中の特別支援学級(通級式:通級指導教室)の担任で問題となるのは、知的障害を伴わない或いは軽い知的障害がある発達障害児である。具体的には、アスペルガー症候群、高機能自閉症、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)などである。この内、本研究では自閉症を中核とするグループ、すなわち自閉症スペクトラムに焦点を当てる。本稿では、「自閉症スペクトラムの教育心理」全体のイントロダクションとして、特に「教育心理学」の視点から発達障害および自閉症スペクトラムの概要について、1.発達障害とは何か、2.発達障害に共通する三つの特徴(発達期に出現・非進行性・中枢神経系高次機能の障害)、3.「自閉症スペクトラム」とは何か(自閉症を中核として幅広く含む)、4.「自閉症スペクトラム」の三つの特徴(三つ組みの障害)①社会性の障害・②コミュニケーションの障害・③想像力の障害、5.「自閉症スペクトラム」の四つの対人関係パターン①孤立群・②受動群・③「積極・奇異」群・④.「形式ばった大仰な」群、と順次検討・考察した。
収録刊行物
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- 広島国際大学 教職教室 教育論叢
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広島国際大学 教職教室 教育論叢 (9), 63-72, 2017-12-20
広島国際大学 心理科学部 教職教室
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390577309351966336
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- NII論文ID
- 120006407558
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- ISSN
- 18849482
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可