熟練パフォーマンスから読み解く階層的知覚―行為システムとしての身体
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- 工藤 和俊
- 東京大学大学院総合文化研究科
書誌事項
- タイトル別名
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- The Body as a Hierarchical Action-Perception System : an Approach from Skilled Human Performance
抄録
<p> スポーツ,ダンス,音楽等の一流パフォーマーは,各領域に固有の高度な認知―運動能力を発揮する.熟練パフォーマンスを支える身体は,膨大な数の細胞と役割分化した多様な組織からなる複雑で精妙なシステムである.ヒトの動作は身体発達の基本構造に立脚した複数の階層によって構築されており,より基礎的な階層が背景となって高次の階層を支え,多様な運動スキルを実現している.このとき,動作の基底階層には緊張/脱力,姿勢,呼吸,平衡等が含まれ,多くの身体パフォーマンスに共通する要因として位置付けられる.また,動作は多様な外部環境と多様な内部環境の狭間で生成され,高度なパフォーマンスを実現するにはこれら内外の環境資源を総動員することが必要になる.この際の行為可能性とは身体―環境系という機能単位により知覚されることから,今後の研究においては,行為のための資源探索ならびに動作構築階層について,環境に拡がる身体という観点から捉えなおす必要性が指摘される.</p>
収録刊行物
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- バイオフィードバック研究
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バイオフィードバック研究 50 (1), 62-67, 2023
日本バイオフィードバック学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390577376031862016
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- ISSN
- 24323888
- 03861856
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可