縁起思想における人間(私)

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タイトル別名
  • A Human Being in the Buddhist Teaching of Dependent Origination

抄録

<p>移り変わりながら現れていて(無常),不変な本質をもち合わさない(無我)ものの在り方をしているのかを示したのが縁起説である.縁起とは「およそ存在するものは皆,種々の要素(条件)が相関わり合いながら生起している状態としてある」という意味である.すべては状態としてあるととらえるのが仏教の特質であるといえる.時間的因果,空間的因果など,種々の縁起理解が展開されている.</p><p>人間(私)も縁起という在り方をしている.したがって,「人間は五蘊(条件)が相関わり合いながら生起している状態としてある」となる.種々の要素として示されたのが五蘊である.五蘊とは,色,受,想,行,識である.これらが同時に関わって現れている姿が,因縁果としての人間である.したがって「私」は五蘊仮和合とされる.そして人間に関わるすべての事象はここにおいて生じる現象である.われわれの知・情・意はすべて識に収まる.識を内観することは需要である.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 63 (3), 202-207, 2023

    一般社団法人 日本心身医学会

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577431256789248
  • DOI
    10.15064/jjpm.63.3_202
  • ISSN
    21895996
    03850307
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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