身体因性偽神経症へのチーム医療の取り組み

DOI
  • 志和 悟子
    公益財団法人国際全人医療研究所千代田国際クリニック
  • 永田 勝太郎
    公益財団法人国際全人医療研究所千代田国際クリニック
  • 大槻 千佳
    公益財団法人国際全人医療研究所千代田国際クリニック
  • 前川 衛
    公益財団法人国際全人医療研究所千代田国際クリニック
  • 大木 和子
    公益財団法人国際全人医療研究所千代田国際クリニック

書誌事項

タイトル別名
  • Team Approach for Somatogenic Pseudoneurosis
  • ―A Case of Essential Hypotension and Reactive Hypoglycemia―
  • ―本態性低血圧と反応性低血糖を有した患者の1症例―

抄録

<p>目的:身体因性偽神経症はフランクル(Frankl)が提唱した概念である.身体的病態が潜在しているが,精神疾患と誤認してしまうことである.本来の身体的病態を治療するか,心理的反応のみに目を奪われて向精神薬を多用するか,医師のidentityが問われ,患者の予後が大きく変わってしまう.チームでの取り組みを報告したい. 症例:30代女性.うつ病と診断されていた.本態性低血圧,反応性低血糖,橋本病があることが判明した.補剤の服用,カウンセリング,栄養指導を行った.患者は強迫性パーソナリティ障害がみられたが,それは自発性低血糖症による症状であった.チームでの包括的治療を行った結果,こだわり行動は軽減し,就職活動ができるまでに至った. 考察:チームでの取り組みは,患者の依存から自立へと向かう治療プロセスに多方面から貢献する.一貫した医療観を有する多くのチームメンバーが「そばにいる(being)」ことが最も有用であると考えられた.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 63 (3), 251-259, 2023

    一般社団法人 日本心身医学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577431256793216
  • DOI
    10.15064/jjpm.63.3_251
  • ISSN
    21895996
    03850307
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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