食道造影で漏出を認めなかった特発性食道破裂の一例

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タイトル別名
  • A case of spontaneous rupture of the esophagus without contrast leakage on esophagography

抄録

症例は34歳男性.飲酒をし,刺身を食べた翌日から嘔吐,下痢,心窩部痛が出現したため,当院救急外来へ搬送された.急性腸炎の暫定診断で,絶食,補液,抗生剤治療を開始された.入院時のCTで縦隔気腫を認めた.翌日に食道造影を施行したが造影剤の漏出は認めなかったが,CTにて左中縦隔の横隔膜,下行大動脈,食道に囲まれた領域に膿瘍と考える陰影と左胸水を認めた.そのため,特発性食道破裂と診断し,同日夜間に緊急で左胸腔鏡補助下に縦隔/胸腔ドレナージを行った.膿瘍からStreptococcus parasanguinis,また胸水からStreptococcus intermediusが検出された.術後9日目から飲水,11日目から食事を開始し,抗生剤治療を術後 14日目まで継続し17日目に軽快退院した.特発性食道破裂は食道造影により造影剤が縦隔へ漏出していることで診断を確定できるが,それを認めない症例も存在する.早期の外科的治療が予後を改善するため,臨床経過,画像所見から疑われた場合は,外科的治療を躊躇しないことが重要と考える.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577431256961664
  • DOI
    10.34345/spch.47.1_43
  • ISSN
    24350710
    02895455
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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