再石灰化/再生技術を基盤とした象牙質齲蝕治療材料の開発

DOI
  • 斎藤 隆史
    北海道医療大学歯学部 口腔機能修復再建学系 う蝕制御治療学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Novel Materials for Caries Treatment Based on Dentin Remineralization / Regeneration Technology

抄録

<p>接着性修復材料開発において, 口腔内環境の変化に応じて, 再石灰化能, 抗菌性, 抗バイオフィルム形成能, 修復象牙質誘導能などの機能を効果的に発揮し, 齲蝕発生を防止するとともに歯髄を保護することが可能な多機能性スマート材料の開発が待たれている. 我々の研究グループでは, 象牙質齲蝕治療を「脱灰象牙質の再石灰化誘導」と「修復象牙質形成誘導」の両面から捉え, それぞれのアプローチから象牙質再石灰化/再生研究を行い, 象牙質・歯髄複合体に自己修復能を付与する機能性修復材料の開発を進めてきた. これまでに, 我々が開発したレジンモノマーCMET が石灰化誘導能, 象牙質再生能, 抗バイオフィルム形成能を兼備する高機能性モノマーであり, 機能性材料開発において有望な材料であることを見出している. これらの知見を基に新しい生体活性型歯面コーティング材およびボンディング材が開発された. 今後さらなる改良を図ることによって, 齲蝕予防はもちろんのこと sealed restoration における感染脱灰歯質の自己修復も確実に可能となるものと思われる. これによって齲蝕治療が現在の潮流を超越し, 「切削・修復治療」から「自己修復型治療」への完全脱却が図られるものと考える.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577508807001600
  • DOI
    10.11223/jard.21.23
  • ISSN
    18800815
    13489615
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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