帝王切開分娩で生じた新生児頭蓋骨骨折
書誌事項
- タイトル別名
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- Depressed skull fracture in neonate born by cesarean section
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説明
<p> 新生児の頭蓋骨骨折は約10,000〜25,000人に1人の頻度で生じ,分娩が進行した段階での帝王切開では,経腟的な児頭挙上や術者が児頭を把持する際の圧迫が原因で頭蓋骨骨折が起こりうるとされる.今回,分娩進行中の緊急帝王切開で生じた新生児の頭蓋骨骨折を経験したので報告する.</p><p> 症例は32歳の初産婦.子宮口9cm開大の時点で胎児機能不全のため緊急帝王切開を施行した.児頭がstation±0まで下降していたため経腟的に児頭を挙上したが娩出できず,逆T字切開を加えて臀部から娩出した.出生後,児の頭頂骨左側に直径約5cmの陥凹を認め,CTとMRIで左頭頂骨の陥没骨折と,くも膜下出血および脳挫傷を認めた.複数の頭蓋内病変を合併したことから外傷性の骨折と考えられた.</p><p> 児頭が下降した時点で行う帝王切開では,経腟的な児頭挙上で頭蓋骨骨折を起こす可能性があるため,娩出が困難な場合は緊急子宮弛緩や子宮切開線の延長を行い,児の臀部からの娩出を考慮する必要がある.</p>
収録刊行物
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- 日本周産期・新生児医学会雑誌
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日本周産期・新生児医学会雑誌 59 (1), 57-61, 2023
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390577519390135680
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- ISSN
- 24354996
- 1348964X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可