応用言語学のジレンマ : 認知言語学的知見に基づく外国語教育の難しさについて

書誌事項

タイトル別名
  • A dilemma in applied linguistics : a difficulty in applying cognitive linguistic insights to foreign language education
  • オウヨウ ゲンゴガク ノ ジレンマ : ニンチ ゲンゴガクテキ チケン ニ モトズク ガイコクゴ キョウイク ノ ムズカシサ ニツイテ

この論文をさがす

説明

学習対象の意味・概念の新規性や抽象性は学習困難の原因となる(e.g., DeKeyser, 2005)。外国語学習の場合、時間的概念の捉え方やその言語表現に関する学習はその典型的な事例であり、日本人英語学習者にとって、現在完了表現の習得は特に困難であると言われている(e.g., 伊関, 2012; 小寺, 1977; 松沼, 2007; 渡邉, 2018)。それは、現在時制と完了相の組合せが醸し出す概念が複雑であることに起因している。さらに、教育文法では通説とされている現在完了の概念区分(完了、結果、経験、継続)が言語学では必ずしも支持されていないことからも、現在完了の複雑さがわかる(e.g., Comrie, 1976; Nishiyama & Koenig, 2010)。本論文では、現在完了形の学習用教材を開発する際に直面した問題点を挙げ、認知言語学的知見に基づく応用言語学研究及び教育実践の難しさについて論じる。

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ