豪雨土砂災害における両脚の現場四肢切断(field amputation)を回避し片脚を救肢し得た1例

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説明

<p>災害現場における四肢切断(field amputation)は非常に稀である.我々は,field amputationを依頼された1例を経験したので報告する.症例は75歳女性.土砂崩れにより両下腿が家財の下敷きとなった.当初は家屋倒壊の恐れがあり救出が難航したため,災害医療チームからfield amputationを要請された.現場での災害医療チームの加療により全身状態は安定し,また家屋倒壊の危険性が下がり,救出の目処がたったためfield amputationは施行しなかった.発生から約18時間後に救出され,当院搬送時,両下腿の筋区画内圧の上昇を認めたため緊急で減張切開を行った.全身管理を行い,幸い圧挫症候群は免れた.左下腿は開放骨折と筋壊死を広範囲に認め救肢困難であり,受傷後5日で左大腿切断術を行った.右下肢は筋デブリードマンや植皮術を重ね,最終的に救肢し得た.field amputationの報告は少なく,確立した適応はないため,患者や現場環境を総合的に判断することが重要である.</p>

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