統合失調症を有する脊髄不全損傷患者に対するトークンを用いた歩行訓練

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  • トウゴウ シッチョウショウ オ ユウスル セキズイ フゼン ソンショウ カンジャ ニ タイスル トークン オ モチイタ ホコウ クンレン

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抄録

症例は統合失調症を有する40歳代女性.自殺企図により腹部刺傷.Th12レベルで椎体側より脊髄を切断し,脊髄不全損傷となる.杖・短下肢装具を使用して歩行が可能となった.受傷後5年3ヶ月の時点で歩行時は左足先を常に引きずっていた.指示によってトゥクリアランスは得られていたことから,原因として行動の問題が考えられた.そこで,応用行動分析学を用いた介入を実施した.介入1では,歩行練習中の引きずり回数をカウントし,引きずり回数が減少した場合には賞賛を行った.介入2では,トイレ歩行において,同様の介入を実施した.本人の好みの行動であった「リハビリテーション室に行く行動」を強化刺激として利用し,トークンエコノミー法を適応した.結果,介入後の引きずり回数は減少した.退院の見込みを提示した後には妄想と不穏行動を認めたものの引きずり状態の悪化はなかった.よって,用いた介入は統合失調症を有する症例にも有効に機能したものと考えられた.

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