水収支要素の長期傾向が地下水同位体比変動に与える影響の地域間比較

書誌事項

タイトル別名
  • Interregional comparison of the long-term trends in water balance elements and groundwater isotopic ratio fluctuations

説明

<p>気候変動に伴う気温上昇は降水量・降水パターンに影響を与え、蒸発散量・涵養量の変化を通じて、重要な水資源である地下水の量や質にも影響すると考えられる。本研究では、日本列島各地における長期的な気温と水収支要素の量的変動が地下水安定同位体比の長期変動に与える影響を考察した。沖縄地方を除く日本列島を6地域に分け、1970年代以降の各地域のアメダスデータの気温と降水量から、ハモン法を用いて可能蒸発散量を計算した。さらに降水量と可能蒸発散量の差として涵養量を求めた。また、2010年以降、各地域1地点ずつの地下水安定同位体比の時系列変化を調べた。気温は全地域で上昇傾向にあったが、降水量と水収支要素の配分のパターンは地域により異なった。δ18Oは降水量の増加が主に涵養量の増加に配分された2地域(札幌・宮崎)では長期変動が見られなかった。また、2地域(山梨・富山)で上昇傾向、1地域(鳥取)では低下傾向が見られた。このパターンの違いは夏期・冬季の気象の支配要因と脊梁山脈の存在が影響すると考えられた。気温の上昇は降水同位体比の上昇をもたらすと考えられるが、地下水への影響は地域ごとに異なる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740951745664
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_175
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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