引き倒し試験によるコウヨウザン萌芽枝基部の靱性の評価:加齢効果の検討

DOI
  • 藤澤 義武
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 近藤 禎二
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 倉本 哲嗣
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター
  • 山田 浩雄
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター

書誌事項

タイトル別名
  • Pulling down tests to assess toughness of shoot-bases in <i>Cunninghamia lanceoleta</i> : examination of aging effect.

抄録

<p>旺盛な萌芽力はコウヨウザンの特徴の一つであり、低コスト造林への活用が期待されている。しかし、若齢の萌芽枝は強風で倒伏することがあり、確実な萌芽更新の技術が求められていた。そこで、2年生萌芽枝の基部の靱性を引き倒し試験で評価し、倒伏に至る最大モーメントは基部の直径との間に高い正の相関関係があり、当該林分では風速15m/sec超で倒伏の危険性が高まることを示した。今回は、同じ林分で3年生となった萌芽枝に同様の試験を行い、2年生時との比較を行った。その結果、基部の直径と最大モーメントの間に2年生時とほぼ同じ回帰係数で正の相関傾向があり、基部の径が20㎜から40㎜程度では2年生よりも最大モーメントが2倍大きく、応力は基部の径が小さいほど2年生との差が大きくなる傾向にあった。これらは、加齢によって最大モーメントが増大したのは、成長によるサイズ効果よりも加齢によってより成熟した木部が蓄積する効果が大きいことを示し、コウヨウザンの萌芽林育成では、基部の直径に加えて萌芽枝齢を考慮する必要があることを示唆する。本研究は、農林水産省委託プロジェクト「成長に優れた苗木を活用した施業モデルの開発」の支援を受けて行われた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740951755008
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_148
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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