スギの適応遺伝変異の空間分布と気候変動への応答可能性評価

DOI
  • 内山 憲太郎
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域
  • 中尾 勝洋
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所
  • 津村 義彦
    筑波大学生命環境系

書誌事項

タイトル別名
  • Climate-associated genetic variation in <i>Cryptomeria japonica</i> and assessment of its potential response to climate change.

抄録

<p> 気候変動への樹木種の応答反応の理解は、森林生態系の安定性に関わる重要な課題である。しかしながら、広い環境幅の中で局所適応している樹木種の環境への応答は種内でも一様ではなく、その理解と予測を難しくしている。本研究では、適応遺伝変異と環境値との空間モデリングを行う景観ゲノミクスの手法を用いて、以下の問いに答えることを目的とした。1)スギにとって局所適応を促す主要な気候要因は何か?2)将来気候下で適応度が低下する地域はどこか?</p><p> 全国のスギ天然林22集団224個体について、環境値との関連が認められた2,763 SNPを解析に用いた。各SNPのアレル頻度と13の生物気候変数(World Clim v2.0)との関係をGradient Forestによりモデル化した。その結果、スギの適応遺伝変異を説明する要因として、気温の季節変動、冬季の気温・降水量などが上位にランクされた。また、2030、2050、2090年時の気候下でのgenetic offset(GF:遺伝的不適合性)を算出したところ、東北地方の低地から中部山岳地帯の中山間地域にかけて、GFが徐々に高まることが予測された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740951763072
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_145
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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