樹液流速の計測に基づくコナラ林とスギ林のオゾン吸収量の推定

書誌事項

タイトル別名
  • Estimation of ozone uptake of <i>Quercus serrata</i> and <i>Cryptomeria japonica</i> stands based on the sap flow measurements

説明

<p>森林に対するオゾンの影響の程度を評価するためには、気孔を介した樹木のオゾン吸収量とその季節変化を明らかにする必要がある。近年、樹木の幹における樹液流速の計測から樹木のオゾン吸収量を推定する手法が注目されているが、その研究例は極めて少ない。本研究では、日本の代表的な落葉広葉樹であるコナラと常緑針葉樹であるスギの樹液流速を熱消散法で計測し、各森林のオゾン吸収量の季節変化とその主要因を明らかにすることを目的とした。2020年5月から2021年6月にかけて、東京都八王子市のコナラ林とスギ林で樹液流速を計測し、単位土地面積あたりのオゾン吸収量を推定した。その結果、樹液流速の計測から求めた森林のオゾン吸収量は、先行研究や異なる手法によるオゾン吸収量の推定値と同様であった。コナラ林のオゾン吸収量はスギ林のそれよりも高く、より明確な季節変化を示した。スギ林のオゾン吸収量の季節変化は大気オゾン濃度の季節変化に、コナラ林のオゾン吸収量の季節変化は大気オゾン濃度と林冠における葉の気孔開度の季節変化に強く影響を受け、森林のオゾン吸収量の季節変化を決定する主要因が樹種によって異なることが明らかとなった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740951764352
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_159
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ