高品質燃料チップの地域内供給体制-山陰地方T町における取組事例

DOI
  • 横田 康裕
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 垂水 亜紀
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 天野 智将
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Supply system of high quality fuel chips in town T, San'in region

抄録

<p>近年、木質バイオマスの小規模分散型エネルギー利用への期待が高まっている。小型ガス化CHP装置やチップボイラー等を運用するためには装置に適した燃料が必要となるが、その流通は未発達であり、特に乾燥チップの確保は重要な課題となっている。近年、地域内で面的に小規模分散利用を促進するために、燃料生産供給体制整備が取り組まれている。本研究では、その一例として山陰地方T町における取組をとりあげ、取組概要および課題について調査した。調査事例は、燃料生産拠点を新設し、拠点でチップ生産、チップ乾燥、CHP事業を行っていた。チップ生産は、地元の既存チップ生産者が担い、チップ原料の確保も担っていた。乾燥は、CHP装置の排熱を用いた温風乾燥機で行い、拠点のCHP施設のチップ需要量約6,500生トンの約1.7倍の燃料チップを乾燥可能であった。CHP事業は、定格出力40kWeの装置を12台設置し、電気は全量FIT売電し、熱は全量拠点での燃料乾燥に利用していた。乾燥等の燃料品質確保については特段の問題は生じていなかったが、チップ原料、特にFIT「未利用木材」の確保に苦慮しており、FIT小規模枠の事業でも燃料の数量確保が重要な課題であることが示された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740951792256
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_212
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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