原木市場における丸太の強度表示が購入者に与える影響

DOI
  • 田中 亘
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 早舩 真智
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 樋熊 悠宇至
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 藤本 清彦
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 三好 由華
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 山裾 伸浩
    和歌山県林業試験場

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of log strength labeling for purchasers in the log auction market

抄録

<p>和歌山県内の原木市場では、構造用に利用される丸太の強度を簡易測定器で計測する取り組みが行われている。ヤング係数の値がE90を超えるスギ丸太とE110を超えるヒノキ丸太については刻印され、購入者に強度が分かる形で競りにかけられる。本研究では、この強度表示が購入者の行動に与える影響を明らかにするため、競り結果のデータ分析、および競り市参加者に対する聞き取り調査を2つの市場で実施した。強度表示の観察からは、径級が細い方が強度表示の割合は高く、20cm以下のスギで8割、同ヒノキで9割を超える一方、30cm以上ではスギで約2割、同ヒノキで約4割にとどまることが明らかになった。競りの結果からは、径級ごとに強度表示の割合と平均単価の関係を見た場合、そこに明確な相関が現れないことが明らかになった。すなわち、競り市における丸太の強度表示は購入者の行動に影響を与えていないと考えられる。その要因に関しては、購入者の主となっている中小規模の製材工場では製材品の強度表示等が求められていないこと、それゆえ強度表示された丸太を選択的に高価格で購入する動機がないことが聞き取り調査から示唆された。</p>

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740951796992
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_214
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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