関東に生育するヤナギの成長に対する堆肥の効果と養分濃度
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of compost and concentrations of nutrients for willows grown in Kanto region
抄録
<p> 近年、木質バイオマス利用としてのヤナギの栽培に注目されているが、多くの栽培試験は寒冷地に分布する種を用いており、温暖な関東地方ではあまり植栽を実施されていない。そこで、茨城県内に分布するカワヤナギ、ジャヤナギ、オノエヤナギ、コゴメヤナギ、ネコヤナギ、タチヤナギ、イヌコリヤナギを対象とした、2年間の育成試験を実施し、堆肥の添加による養分の吸収と成長の促進効果を検証した。施肥は豚ぷん堆肥を用い、堆肥区 (2kg / m2)、2倍堆肥区 (4kg / m2)、及び対照区 (無添加) の3処理区を設定し、植栽前の4月と1年後の4月に添加した。ヤナギ7樹種については、2年目の9月に採取した葉の中の養分の分析を行い、成長との関係について調べた。</p><p> 豚ぷん堆肥中には高濃度のリンが含まれ、カワヤナギ、イヌコリヤナギ、オノエヤナギ、コゴメヤナギ、タチヤナギの葉内リン濃度は、成長パラメータである相対樹高成長率と正の相関を示した。ジャヤナギは、堆肥区において葉内窒素濃度が増加し、相対樹高成長率と正の相関を示した。このほか、ジャヤナギ、カワヤナギ、オノエヤナギ、コゴメヤナギ、タチヤナギの葉内マグネシウム濃度が堆肥の添加で増加した。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 134 (0), 314-, 2023-05-30
日本森林学会