低温湿層処理および恒温・変温条件下におけるエゾミヤマザサ種子の発芽応答

DOI
  • 梅村 光俊
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所
  • 津山 幾太郎
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所
  • 北村 系子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所

書誌事項

タイトル別名
  • Germination response to cold stratification and constant/variable temperature of dwarf bamboo (<i>Sasa tatewakiana</i>) seeds

抄録

<p>一回結実性植物であるササ類の開花周期は数十年以上と長く、一斉開花後枯死する。結実した種子が発芽するまでの期間はササの種によって異なり、ササ類の更新過程を明らかにするためには、種ごとの発芽特性を明らかにする必要がある。本研究では、2019年5月に森林総合研究所北海道支所構内にて部分開花したエゾミヤマザサ(Sasa tatewakiana)を対象とし、様々な温度条件下における発芽応答を調査した。同年6月に採取した種子を吸水シートまたはココピートに播種し、4℃/20℃(2か月おき)での反復処理、外気温下での変温処理、20℃恒温処理により湿層培養し、随時発芽個体数を計測した。その結果、反復処理では2回および3回の低温を経験した後、多くの種子が発芽した。変温処理では、冬を経験後、播種からおよそ1年後の日平均気温が20℃以上となる期間に発芽し、2年後の同期間に発芽がほぼ完了した。一方、20℃恒温処理では、播種からおよそ1年後から順次発芽し2年半後には発芽率が最大80%に達した。これらのことから、エゾミヤマザサの種子は、複数回の低温処理により休眠打破が早まる一方で、低温の経験の有無にかかわらず20℃以上の温度下で発芽することが示された。</p>

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740951891072
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_318
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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