カラマツのネズミ食害程度に影響する遺伝と環境の要因探索

DOI
  • 米澤 美咲
    北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場
  • 石塚 航
    北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場

書誌事項

タイトル別名
  • Factors related to vole gnawing on <i>Larix kaempferi</i>, approached from genetic and environmental aspects

抄録

<p>北海道への導入樹種であるカラマツはエゾヤチネズミへの抵抗性(耐鼠性)が低いことが知られている。一方でグイマツはエゾヤチネズミと同様大陸に由来し耐鼠性が高いことから、種間で交雑させた雑種F1の林業利用が進んでいる。上記カラマツ属3種において耐鼠性と樹皮中特定テルペノイド含有量が同様の種間差傾向を示すことがわかっている。そこで、特定テルペノイドを忌避物質候補とし、野外での食害程度との関係を検証するとともに、親の交配情報より食害程度の遺伝解析を行った。対象は46年生カラマツ次代検定林のカラマツ231個体と、一部解析で比較対象としたグイマツ雑種F128個体である。iPad LiDARを用いて点群データを取得し、食害面積を測定した。また、内外樹皮に含まれる特定テルペノイドをガスクロマトグラフ定量にて測定した。まず、雑種F1と比べてカラマツでは食害程度のばらつきが大きかった。親の食害程度に対する遺伝的特性を評価した結果、系統間差が大きく、耐鼠性には遺伝的な影響がある可能性が高かった。食害程度に影響する要因を重回帰モデルにて検討した結果、外樹皮中13-Epimanoolが最も忌避物質として働いている可能性が高いことが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740951927040
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_387
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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