かつて禿山だった白坂流域における1930年からの土砂流出変化

DOI
  • 浅野 友子
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林生態水文学研究所
  • 水内 佑輔
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林生態水文学研究所
  • 岸本 光樹
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林生態水文学研究所
  • Kristin Bunte
    コロラド州立大学土木・環境工学部
  • 田中 延亮
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林北海道演習林

書誌事項

タイトル別名
  • Changes in sediment discharge since 1930 at Shirasaka watershed which has once been bald mountain

抄録

<p>はげ山では毎年の降雨による表土の侵食速度が大きかったが、森林が回復し侵食速度が小さくなると、表土は年々厚さを増す。これに伴い水・土砂移動の形態が「表面流・表層浸食型」から「地中流・崩壊型」に変化することが予測されてきたが、そのような変化がいつどのように起こったのか、実態は明らかではない。本研究では東京大学生態水文学研究所白坂流域(88.5ha)での1930年からの量水堰堤からの土砂排出量、掃流砂観測や既往研究のレビュー等から、流域の土砂動態変化の実態を明らかにする。裸地斜面の侵食速度はおよそ5500m3/km2/yだったが、白坂流域からの土砂流出量は1930~1960年代は1000m3/km2/y程度であり、観測開始時にはほぼ森林に覆われていた白坂ではすでにはげ山に比べると土砂流出量が減少していたと考えられる。1970年代以降は流出土砂量は500m3/km2/y以下に減少し、1990年以降は東海豪雨時を除き300m3/km2/y以下で推移している。現在の流域からの土砂流出量は、森林斜面の侵食速度に比べて1オーダー大きく、粒度組成から主に斜面崩壊で生産された土砂であることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740951928448
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_42
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ