三箇所のスギ壮齢検定林における冬季水分生理特性の幼老相関
書誌事項
- タイトル別名
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- Relationship between juvenile and mature clones in water relations parameters in winter at three matured sugi test sites
抄録
<p>冬季の低温は樹木にとって直接的なストレスの要因になるだけでなく、間接的に乾燥によるストレスを引き起こす(Kramer 1942)。我が国の主要造林樹種で水分要求性の高いスギは、冬季の乾燥耐性が低いことが知られる(宮崎 1957)。発表者らはスギ精英樹さし木苗の水分生理特性の測定から、冬季乾燥耐性の系統間差の存在を明らかにした(河合ら 2018)。もし冬季乾燥耐性に成長段階間の共通性(幼老相関)があれば、これを指標とした優良個体の早期選抜が可能となる。幼老相関の有無を検証するため、これまでに上記幼苗の試験に用いたスギと同一のさし木苗15系統を植栽した兵庫県(46年生)および愛媛県(48年生)の試験林2箇所において冬季乾燥耐性の評価を行った。その結果、兵庫県の林分において幼老相関が認められた(河合ら 2022)。そこで本研究では、上述したスギさし木苗15系統を植栽したもう1箇所の壮齢試験林(和歌山県田辺市、48年生)において、2023年1月に各系統4個体より枝葉を採取し、P-V曲線法に基づき冬季乾燥耐性に関連する水分生理特性を求めた。本大会では、計3箇所で得られた壮齢段階の水分生理特性と幼苗段階の特性との関連性について報告する。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 134 (0), 384-, 2023-05-30
日本森林学会