タケ類開花の現況と開花記録の収集:市民参加型調査に向けて

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Current status of bamboo flowering and collection of flowering records with citizen involvement

抄録

<p>タケ類(イネ科タケ亜科)の生活史において有性繁殖は極めて稀なイベントであり、開花周期や開花習性や更新様式に関する知見は未だ限られる。一方、2010年代から現在にかけて、およそ120年周期とみなされるマダケ属ハチクの大規模開花が生じており、その実態解明の好機を迎えている。予測困難なタケ類の有性繁殖の機会を広域に把握するためには、研究者のみならず多くの市民の協力を得た記録や情報共有が有効な手段の一つになると考えられる。ハチクだけでなくさまざまなタケ種にかかわる有用な情報を蓄積するため、発表者らは Google MapやGoogle Formなどを活用し、市民参加による情報の収集・共有システムを試行した。研究者による現地観察、メディアの報道、SNSや各種アプリに挙げられた記載などに基づいて開花にかかわる情報を2019年から収集した。その結果、現段階で西日本を主とする日本各地から1400件に及ぶ情報を得た。情報の約9割はハチク類の開花であり、タケ類の有性繁殖の理解の基礎をなす情報も含まれた。本発表では、成果の報告にとどまらず、市民の協力によって得られる情報の学術的な活用のあり方や、今後の展望についても議論する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740951954176
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_461
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ