スギ樹幹における成長呼吸由来のCO<sub>2</sub>放出速度〜木部分化帯幅との関係

DOI
  • 平谷 理人
    信州大学大学院総合理工学研究科
  • 安江 恒
    信州大学先鋭領域融合研究群 山岳科学研究拠点
  • 荒木 眞岳
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林植生研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Stem CO<sub>2</sub> efflux came from growth respiration in <i>Cryptomeria japonica</i> : relationships of xylem differentiation

抄録

<p> 樹幹 CO2 放出速度(Es)は主に成⻑呼吸に由来する成分(Esg)と維持呼吸に由来する成分(Esm)により構成される。このうちEsgは肥大成⻑に起因するが、肥大成⻑の指標である木部分化帯幅との関係の報告例はほとんどない。本研究では直接的に木部分化帯幅を計測し、Esgとの関係を明らかにした。</p><p> 信州大学農学部構内演習林においてスギ10個体を供試木とした。2022/3/24~12/27の間、約1ヶ月ごとにチャンバー法によりEsを計測した。同時に樹幹温度を計測した。休眠期である11〜12月のEsはEsmのみで構成されると仮定して温度応答式を算出した。温度応答式を用いて成⻑期のEsm を推定した。得られたEsmを Esから除くことでEsgを分離し、1日におけるEsgの平均値(meanEsg)を算出した。Es の計測と同日に打ち抜き法により得たマイクロコア試料から木部分化帯幅を計測した。meanEsgと木部分化帯幅との関係について単相関分析を行った。</p><p> meanEsgと形成層帯幅+細胞拡大帯幅との間に有意な正の相関が7個体で認められた。一方でmeanEsg と二次壁肥厚帯幅との間に有意な正の相関が3個体で認められた。形成層帯幅+細胞拡大帯幅が meanEsg に相対的に大きい影響を与えることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740951967616
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_421
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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