施業履歴の異なるブナ林の20年間の動態と地上部現存量変化

DOI
  • 野口 麻穂子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 齋藤 智之
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 直江 将司
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 酒井 敦
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 澤田 佳美
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 八木橋 勉
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林植生研究領域
  • 太田 敬之
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林植生研究領域
  • 櫃間 岳
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林植生研究領域
  • 正木 隆
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 杉田 久志
    富山県農林水産総合技術センター森林研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Twenty years of dynamics and aboveground biomass changes in beech stands with different management histories

抄録

<p>森林の地上部現存量(AGB)は、炭素蓄積をはじめとする森林の生態系機能の重要な指標のひとつである。本研究では、奥羽山系のブナ老齢林におけるAGBの長期変化と、施業による撹乱後の回復過程の解明を目的として、2002年から2022年までの20年間にわたる毎木調査データを解析した。老齢天然林および、1969年の皆伐母樹保残施業後に刈払いを1回もしくは3回実施した林分にそれぞれ設置された、計3試験区を対象とした。老齢天然林では、AGBは観測期間中、一貫してゆるやかに増加し、種組成や幹密度に著しい変化はみられなかった。2箇所の皆伐母樹保残施業区では、いずれも観測期間中に幹密度は観測開始時点の7割弱に減少し、AGBは約1.5倍に増加した。刈払い1回区では、3回区と比較してブナ保残木のAGBには大きな違いがなかったが、AGBの合計値は観測期間を通して3割以上大きく、その違いは主にウワミズザクラ、ホオノキなど撹乱依存種のAGBの差異によってもたらされていた。皆伐母樹保残施業区におけるブナ更新木のAGBは観測期間中に2.5〜3倍に増加しており、今後さらに優占度を高めていくものと考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740951991168
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_452
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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