人工林における保持林業の実証実験 初期の成果の概要

DOI
  • 尾崎 研一
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所

書誌事項

タイトル別名
  • Review of short-term findings of retention experiment in plantation forest

抄録

<p>保持林業(保残伐施業)は、主伐時に一部の樹木を残して複雑な森林構造を維持することにより、生物多様性や生態系サービスを維持する施業方法であり、木材生産と公益的機能の両立をめざす森林管理方法として世界的に普及している。この保残伐を人工林に適用するために、2013年から北海道有林空知管理区において「トドマツ人工林における保残伐施業の実証実験(略称:REFRESH)」を実施している。ここでは主伐期のトドマツ人工林で保残方法や保残率を変えた伐採を行い、生物多様性や水土保全機能、木材生産性の変化を調べている。実験開始から10年間が経過し、これまでの成果をまとめた。単木保残についてはいろいろな生物群で森林性種の個体数,種数と保残量に正の相関がみられたことから,広葉樹を単木的に残すと皆伐の負の影響を緩和できること,その効果は保残量が多いほど大きいことが示された。一方,群状保残の効果は生物群によって異なり,保残パッチは皆伐の影響から逃れる一時的な避難場所として機能する場合と,しない場合があった。以上の成果から保持林業を人工林に適用する場合、何をどのようにどれくらい保残すれば良いのかについて検討する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740952000128
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_46
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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