多雪地域にある釜淵森林理水試験地における積雪・融雪期の流出機構

DOI
  • 久保田 多余子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域
  • 阿部 俊夫
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 小川 泰浩
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域
  • 伊藤 優子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所立地環境研究領域
  • 釣田 竜也
    農林水産技術会議
  • 野口 享太郎
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 延廣 竜彦
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 小林 政広
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所立地環境研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Runoff mechanism during snow accumulation and snowmelt at the Kamabuchi Experimental Watershed

抄録

<p>多雪地域の河川流量は積雪期に少なく、ほとんど変動しないが、春先の融雪期には気温の日変動に応じて大きな日変動を示す。しかし、雨の流出過程に関しては、トレーサーを用いた多くの研究があるのに対し、積雪から融雪期の流出過程はあまり調べられていない。そこで、多雪地域にある釜淵森林理水試験地(山形県)内の1号沢(3.06ha)において、2017-2022年にかけて、降水、河川水、土壌水(深度10cm、40cm)を定期的に採水するとともに、融雪期の河川水を自動採水装置によって採水し、酸素・水素安定同位体比と溶存無機イオン濃度を調べた。この結果、融雪期の河川水の同位体比は流量が増えると大きくなり、流量が減ると小さくなった。積雪の同位体比は融解と凍結を繰り返すことにより大きくなり、融雪が進むにつれて河川水の同位体比が大きくなる。また、河川水のCa2+とSO42-濃度は1年を通じて降水と土壌水のそれよりも大きく、融雪期には流量が増えると下がり、流量が減ると上がり、融雪後期には年最大値程度まで上昇した。このことから、融雪水は融雪初期には比較的浅い地中を通って流出しているが、徐々により深い地中水を押し出していると考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390577740952028672
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_516
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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